2015年の春から始めた写真。基礎だけ習うつもりが、写真表現のクラスにまで手を伸ばすことになろうとは予想もしていなかった。最終目標はzineを作ること。zineというのは自作の文章や絵、写真などを少量だけ印刷して作る小冊子のこと。
なんの決まりも、縛りもない自由な制作。ただ自分だけのzineを後悔なく作るだけ。自由すぎて戸惑いしかなかったけれど、自分の表現をするためには、自分としっかり向き合うこと、そして、そこで出会った自分を許すことが必要だった。正直、つらいと感じることも多々ありながら、写真だけにとどまらない自分自身に出会えたことを思い返せば、大変貴重な時間を過ごしたのだと言える。
このzineはギャラリーに展示され、様々な人に見てもらうことになった。1週間の展示の間に手に取ってくれた人たちから、メッセージをもらった。痛いモノもあったし、純粋に嬉しいモノもあったけど、そのことによって写真という世界の自由さを知ったような気がする。
写真を初めて間もない初心者が、格のあるギャラリーにzineを展示できたのは奇跡のような話。でも、その機会を経て思ったことは、「見てくれる人がいて初めて展示が完成するのだ」ということ。決して独りよがりではない、相手を思う気持ちもないとできないのかも。。。
なんどもなんども写真をめくり、順番を入れ替えて自分の納得がいくまで模索し続けたzineは、展示を終えて手元に戻って見返すと、やっぱりしっくりこなくて笑えた。そんなモノなんだろうなと思う。人間は日々変化しながら生きている。その手が作り出すものに終わりはないのかも。
またこのzineを組み替える時間を持ちたいと思う。きっとその時にまた違う自分に出会うのかも、と思うと楽しみが増えたような気がした。